※長編執筆の参考資料として公開してみます。
冬寂ましろ 2026/1/19
■タイトル
神託機関 私達は剣を言葉に代えて世界と戦う
5人の少女達が挑む、戦争と平和と恋の選択
■あらすじ バルト海に良港を持つ都市国家ヴェステルプラッテ。そこには国家の命運を定める最高機関がある。 ――〈神託機関〉。 この国を作った女神ユーラテに集う使徒の伝承になぞらえ、5人の少女がこの最高機関に集まる。女神の言葉を聞き、女神の意思を代行する、ゆえにそれを〈神託機関〉と呼ぶ。
1939年8月、行方不明になった少女の代わりに〈神託機関〉へ、家に引きこもっていたリリロア・フォン・カリディスが、議長ミレナ・ヴァウェンサによって招聘されたところから物語は始まる。 ナチスドイツはオーストリアを武力で併合し、ミュンヘン協定を無視してポーランド国境へ侵攻部隊を集結させている。 イギリスはそれに目をつむり、反共としての役割を期待し、宥和政策を推進する。 ソビエト連邦は情勢を静観しながら、暗躍をしている。 あるものは戦争は起きないと言い、あるものは戦争が始まると危惧していた。 混沌極まる世界情勢の中、自分達の国はどうするのか、〈神託機関〉で議論が始まる。 ナチスドイツに無抵抗でこの国を明け渡すのか、それとも誰かの力を借りるのか。イギリスは。ポーランドは。自分達は。 戦争か平和か。 恋か正義か。 剣を言葉に変えて、少女たちは戦う。 すべては7日後に決まる。
■ポイント 自立の話
姉からの自立 共依存からの自立 認められない環境からの自立 家からの自立 妄想からの現実への自立
ジレンマとして、自立してしまえば姉の機嫌を損なう 戦争か平和か、どの選択も取れない
■キャスト: 5人の神託機関の少女
〇リリロア・フォン・カリディス 主人公。 海運をつかさどるカリディス家。 肩までかかる茶色の髪。 リベラル。現実主義者。 やさしすぎて人の顔色ばっかり伺っていたところから、人と物事を天才的に見抜く。相手が欲しい言葉を内心と違って与える。相手のいい反応を見て安心している 記憶力がとてもある。そこだけがいい 3歳上の姉がイングリッド・フォン・カイザーリンク。リリロアが6歳の頃、子供がいないカイザーリンク家に養子に出される。 イングリッドからは、ずっとこれをしてはいけない、こうしなさいと言われ続けていた。そう言われていたことで、神託機関の使途になることを拒否。自分は引きこもる ミレナ議長の要請で、ウルシュラの代わりに神託機関へ出仕することになる。当初から嫌がる。でも、議長や味方となる人々から助けられるうちに、自分の言葉と意思が出るようになる 父からは溺愛されている。溺愛しすぎてリリロアの自立を防いでいる。 寄宿舎時代にエリシュカと同室。ずっと見守られていた。静かでじんわりとした関係。その後エリシュカとの関係を学校側で危惧。自ら学校をやめる。 残されたエリシュカは家の都合で神託機関へ召喚。失意の日々を過ごしていた。 カリディス家は造船と海運を一手に引き受ける、ヴェステルプラッテ最大の貴族。昔から商業ギルドに多大な影響力を持っている。 「無理です」が口癖。 声: 花澤香菜 だいたい結婚してたときの私 (そんなの無理だよ……) 「この手をつかんでしまうのは、いいことかわかりません。でも……」 「それをしたら怒られます」 「どうしたら怒られないで済むんでしょうか…」 「す、すみません……」 (同い年なのに、私よりしっかりしてる…) 「これが最善……だと思います」 「我らの港は自由港です。どんな国の船でも停泊を許します。ですが、あらゆる卑劣な行為には、断固とした対応を取ります」 「私達はすべての悪辣なる物に反対します。未来永劫そうです。それが女神の使徒たる、私の使命です」 「でも……。私が決めなきゃ」 「責任は取ります。それが私の心だから」 「判断ができないのなら、私が判断します」
〇エリシュカ・ミスロヴァナ 財務をつかさどる。 おさげのメガネ だいたい星見純那 リベラル 反ドイツ たぬき リリロアの寄宿舎時代の友達。背伸びした優等生。でもリリロアのやさしさを守ろうとする 家は財務を昔から引き受けている。ヴェステルプラッテ最大の銀行を経営。ユダヤ系とも仲がいい ずっとお金に関する嫌なものを見続けていた。なので、言葉一つで怒ったり悲しませることをよく理解している。だから何も言えないでいる リリロアがやってきたことに攻め寄る。でも事情を聞いて、協力を願い出る。よき理解者 ですを多用。言い切る人 最終的にはリリロアとくっつく。 声: 高橋李依 「戦争は不経済です」 「戦わないのではなく、戦えないのです。私達は小国です。ドイツは6980万人、私達は42万人。160倍近く差があります。国民総生産比で言えばそれをさらに上回ります」 「そうではありません。戦わない方法を考えたいのです。私達は良き隣人たるポーランドの代表的な港として、ポーランドで作られた穀物やさまざまな什器を輸出入しています。その手数料が私達の大きな糧になっています。それを守らなければ私達は飢えて死ぬだけです」 「あなたが得意としている外交で解決を探る方法は?」 「ドイツの支援を受けている我が国の軍がそれを許すと?」 「すべてのものにはふたつの顔がある。私にも、あなたにも」 「戦争は人を数字に変えます。動員数、部隊への配属人数、そして損耗率という名の戦死者数」 「代わりでもかまいません。だから……。私を愛してください」 「リリロア、まだ泣いてはだめです」 「政治って……。きれいごとを並べて選んでいるのではありません。愛憎渦巻くものです。だから、誰も信用しちゃいけません。この私も含めて、ですが」 「リリロアの心に私はずっと届きません。それでもそばにいさせてください」
〇ユスティナ・シェーアバルト 外務をつかさどる イギリス帰りの勇ましい金髪ちびっこ 理想に基づくリアリスト 左派 常に噛みつく。イングリッドとは犬猿の仲 叔父はイギリスのチャーチル海軍卿。 家は外交系ばかり歴任。イギリスを中心に全方位に明るい。元々は海運。カリディス家とはずっと仲がいい イギリスに留学していたところが、微妙に他の乙女たちとの温度感を生み出す。 二面性 尊大な態度 やさしく正しさを求める見識がある真っ当な人 新井里美 「ふん、何を言ってるか」 「何をー!」 「そんな甘っちょろいことだから、我が国は列強諸国からなめられるのだよ」 「ならば仕方あるまい。私はイギリスの叔父を頼ることにするよ」 「なんと! よもや、そんなことが!」 「だから言ってるだろう、叔父上。この国が、この拠点がなくなければ、叔父上はナチスを叩くことに相当の犠牲を払うことになる。無論、叔父上の立場も理解している。ああ、ああ。そうだな。夏のチャートウェル・ハウスが恋しいよ。いずれ、そうなればと願ってる」 「叔父上はいずれ世界の上に立つ。融和政策などくそくらえだ。叔父上もそう思っておいでだろう?」 「わからんのか。私はお願いしているんだ。クリスマスのプレゼントをねだるように、この国を助けてくれと願っているんだ」 「ふむ、それがおまえの本心か。ならば、私も心の内を話せねばなるまいな。それが外交というものだから」 「私はリリロアと同調する。それが唯一残された正しい道だと、私は信じている」 「何を言う。リリロアは信じるに足る人物である。私が保証する」 「外交は信頼という名のゲームだよ。信を問われたら相応の答えを与えてやらねばならん。それを双方繰り返すことで外交はできる」 「なんともはや。戦争がないと言うのは、政治家として致命的な見識だ。いつかすべてが破滅したと言うだろうよ」 「人の心は冷静さによってのみ支配できる。私が好きな教えだよ」 「決して屈するな。叔父はそう言っていた」 「お前に言っとくことがある。恨みから生まれた政権は恨みによって倒される。フランスがどうなったかわかるだろう? だから、現実的なつながりは、同じ志を持つ自由主義のイギリスと手を組むことだ」